「デビルサマナーソウルハッカーズ」（1997年）で予見されたネット世界

Web2.0（死語）と「残念なインターネット」を予見した90年代のゲーム

フェイクニュースや承認欲求が流行りですね！

サイバーパンク作品が好きな私は、90年代のアニメでは「serial experiments lain」が一番好きですが、サイバーパンクのゲームではアトラスの「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」（1997年）が好きです。最初はセガサターン版が出て、その後プレステ版が登場、2012年にNintendo 3DS向けにリメイクされました。

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（「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」）

現実世界と虚構世界

「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」は、情報環境モデル都市・天海市が舞台。天海市では全市民にパソコンが無償提供され、全ての端末がネットに接続して仮想都市空間「パラダイムX」というサービスが始まりました。パラダイムXは、ちょっと前にWeb2.0ブームがあった頃に話題になった「セカンドライフ」のような世界です。現在のAR・VRにも通じるものがあるかと。

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（「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」）

しかし、このパラダイムXによって、魂が抜かれたように仮想世界の没頭する人々や凶暴化してくる人々が出てくるようになり、さらにパラダイムXには悪魔が出現するようになります。主人公はハッカー集団「スプーキーズ」のメンバーで、ハッキングと悪魔召喚プログラムを使って天海市とパラダイムXを起点とする巨大な陰謀と立ち向かっていくゲームです。現実世界と仮想世界を行き来することになり、物語が進んで行くにしたがってその境界が曖昧となって密接に絡んでいくことになります。

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（「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」）

冒頭で引用した門倉の発言も含め、随所に現在のネット社会への示唆に富んだ部分があり、現在プレイしても楽しめるゲームだと思います。オススメです。何でデビルサマナーシリーズがここで中断してしまったのか、非常に惜しまれます。

LTEが世界を覆う前の懐かしき世界

90年代のネットを彷彿とさせる懐かしい世界も沢山詰まっていて、その１つがターミナルの存在。現在はLTEの電波が届きスマホのデザリングでネットに接続できる時代ですが、90年代はターミナルを拠点にインターネットに接続していました。ガラケーからもケーブルを使ってパソコンをインターネットに接続できたけれど、かなり低速でパケット通信料も青天井でパソコンからの接続の場合は非常に高価でした。ガラケーでインターネットに接続していたら、１ヶ月の通信費12万円が請求されたのは懐かしい思い出です。

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（「デビルサマナー　ソウルハッカーズ」）

公衆電話が重要なターミナルだった

そういう通信環境にあったので、私は外出先でノートパソコンからインターネットに接続したいときは、公衆電話を使っていました。公衆電話のモジュラージャックに、モジュラーケーブルでノートパソコンを接続させて、テレホンカードか硬貨を入れてパソコンからプロバイダの接続先に電話を掛けてインターネットに接続しました。

公衆電話ボックスの中でパソコンをいじっているので、かなりアヤシいです。あと当時はまだ公衆電話の利用率が高かったので、ボックスの外に通話待ちの人が来たらネット接続を中断してボックスを明け渡していました。それでも行く先々で公衆電話ボックスを見つけるたびに喜んでノートパソコンを繋げてインターネットに接続していました。ちなみに当時のインターネットにはかなり違法な情報も出回っていて、通常はわからない公衆電話の電話番号の割り出し方なども載っていました。

映画「マトリックス」でも電話ボックスが現実世界と仮想世界を繋ぐ重要な手段として登場しますね。電話が無ければネット社会の成立はもっと遅れていたでしょう（その前のパソコン通信の普及も）。ローマは１日にして成らず。

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