はてな村定点観測所

運動、瞑想、睡眠、野菜350g

黒歴史の残骸「当時としては早すぎた」は言い訳にならない

   

黒歴史の残骸が出てきた

週末なので自宅のNASでHDDの肥やしになっているファイルを片付けていました。

そうしたら懐かしいファイルを発見。「実績物」というファイル名で、たぶん転職活動用に作成したのだと思いますが、私が過去に開発に携わったサービスの画面キャプチャが出てきました。

既に終了したサービスだけを集めて、少し黒歴史を語ってみます。

モバイル専用CMS「HPツクロボ」(2005年9月1日リリース)

レンタル掲示板なティーカップに勤めていた頃に開発した自社モバイルサービス。

先行していた「魔法のiランド」を参考につくりました。開発時は「サイトクリエイター」と呼ばれていて、個人的には「HPツクロボ」より「サイトクリエイター」の名称の方が好きでした。いまロボットがブームだけどコンセプトが早すぎたのかも。

f:id:netcraft3:20170326163731p:plain

当時のプレスリリースより。

「HPツクロボ」は“誰でも簡単”を合言葉に、手軽にホームページを作成・編集できるツールです。携帯電話(3キャリア対応)を使って、携帯電話及びパソコンからアクセス可能なホームページの作成・編集が無料でご利用いただけます。現在提供中の携帯電話向けレンタルサービス(レンタル掲示板、ブログサービス、チャットサービス等)とも連携し、個人サイト向けの総合的なサービス提供を目指します。

【HPツクロボの主な機能】
・一つのメールアドレスで、複数のホームページを持つことができ、管理も簡単です。
・あらかじめ用意されたテンプレートで、デザイン変更が簡単に行えます。
*テンプレートは随時追加していきます。
・文字色や、マーキー、カウンターなどに対応の独自タグを用意。多彩な表現が楽しめます。
・メールで画像を送信するだけで、コメント入りのアルバムページ(15MB)が作成できます。
・teacup.レンタル掲示板との連携で、簡単に掲示板が設置できます。
ブログサービス、チャットサービス随時対応
・自分のメールアドレスを公開することなく、安全に訪問者とのメッセージをやりとりできます。(メッセージBOX機能)

複数のサイトを持つことができる、テーマの着せ替えができる、短い独自タグ、他のサービスとの連携など、当時の携帯専用CMSとしては割と野心的な試みが多かったと言えるかもしれません。

技術的にも公開されたばかりのSennaを全文検索に使ったりしました。

モバイル専用SNS「ポケゾー」(2006年4月29日リリース)

雑誌『サイゾー』などを出版していたインフォバーンに勤めていた頃に開発した自社モバイルサービス。

f:id:netcraft3:20170326163747p:plain

当時隆盛となりつつあったmixiを参考に、mixiのモバイル版とほぼ同等の機能があって、OpenPNEのようなOSSではなくて自社開発でつくりたいという話が出て、エンジニアは私1人しかいなかったけど、頑張って日記・コミュニティ・足跡などをmixiを参考につくっていきました。

雑誌『サイゾー』と連動することが決まり、急いでそれ用の機能を開発したり、「ポケゾー」という名前を提案して名付け親になりました。

【サービスの主な特長】
・完全登録制SNSです(18歳以上の方)。
・月刊誌『サイゾー』関係者が参加しているので、会員限定コンテンツが充実。
・会員限定メール「ポケゾー通信」を定期的に配信。
・友だちとしてリンクした人とだけコミュニケーションができます。
・携帯電話を利用したSNSなので、リアルタイムで楽しめます。
・登録・利用は無料(別途要通信費)。
(現在はβ版につき、予告なしにサービス内容の変更・中止・拡張する可能性
があります)

携帯特化型SNSって当時としては早すぎたのかも。この当時の私はモバイルサービスばかり作っていました。

ブログ向け広告サービス「ブロモ」(2006年5月12日リリース)

同じくインフォバーンの頃につくった自社サービス。

f:id:netcraft3:20170326163803p:plain

ブロガーと広告主のマッチングサービス。広告用のタグを発行してそれをブロガーに貼り付けてもらい、その掲載価格はブロガーが決めることができます。その価格を見て広告主が広告を入出稿するサービス。

【『ブロモ!』4つの特長】
1.ひとつひとつのブログ運営者が、独自に価格を設定
 既存のメディア企業が自分自身で媒体の広告価格を決めているように、
 ブログを運営する皆様に自身のブログの広告価格を決定していただけます。

2.広告掲載基準を各ブログ運営者が設定
 自身の価値観にそぐわない広告出稿のオファーがあった場合には断ることが
 できます。自分のメディアのブランドに相応しい広告しか出稿させない
 権利も認められるのです。
 (※同時に広告主への掲載基準に対する説明責任が求められます)

3.掲載期間あたりの広告価格設定でわかりやすい
 期間に対する広告掲載量という価格体系を取り、収入がわかりやすい。

4.厳選したブログを広告主にプロモーション
 明確なメディア特性を持ったブログを中心に広告主にプロモートし、広告が
 入るように働きかけます。

企業向けWebメーラー「Zebra」(2007年1月)

feedpath社にいた頃に開発した自社B2Bサービス。

f:id:netcraft3:20170326163815p:plain

企業向けWebメーラー。今のG Suite(旧Google Apps)のような感じです。Google Mapsも含め色々な外部サービスと連携。Asterisk連携でメール本文中に電話番号があると電話も掛けられます。

「当時としては早すぎた」を言い訳にならない

こうやって自分が携わった黒歴史サービスを見ていると、サービスコンセプトが「当時としては早すぎた」と言えるものが多く、スマホ時代初期につくっていたらまた違っていたのかもしれません。

でも「当時として早すぎた」をサービス終了の言い訳にしてはいけないですよね。早すぎたなら早すぎた分だけ、現状から着実にステップアップしていく戦略が必要。時流など「幸運な巡り合わせ」ももちろん起き得るわけですが、それに過剰に期待してはいけない。何を当てるかって難しいですね。

黒歴史の残骸を見返しながらそんなことを感じた週末でした。

実は今、日曜DIYでこっそり開発しているものがあって、近々新しいサービスを発表します。