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フロントエンドのハウツー本は買わない方がいい

   

フロントエンド本は半年〜1年くらいで時代遅れになる

書店やAmazonでは多くのフロントエンドの書籍が売られているが、フロントエンドの変化は激しく半年〜1年くらいで本に書かれてあることのかなりの部分が時代遅れになってしまう。

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基底技術の言語仕様を知る意味でJavaScript本を買うというアプローチもあるが、ES2015を押さえていなかったり、押さえていても新しいESが決まることで時代遅れとなることが予想される。ReactやAngularJSやVue.jsもバージョンアップが頻繁にあるので古い記述だと現行仕様との対照作業に追われることになる。いずれにせよ書籍では完結できず、ハウツー本は資産にならない。今月も増田の中からこの投稿を見つけた。

anond.hatelabo.jp

フロントエンドの変化が激しいことは悪いことではない。でもハウツー本は役に立たない

私はフロントエンドの変化が激しいことが増田のように嫌いではない。自分の認識はこちらの記事と近い。

qiita.com

ただ、ハウツー本は役に立たない。一般に原稿執筆から書籍化までは数ヶ月ほどかかる。本棚やAmazonであなたが書籍を発見するまではさらに月日が流れている可能性がある(どうしてもフロントエンドのハウツー本を買うときは巻末の初版と改丁版の年月日も必ず見ておいた方がいい)。その間にまたフロントエンドは大きく変化しているだろう。古いフロントエンドの開発本にはwebpackやbebel、karmaやmochaなどのハウツー情報も載っていない本がある。

ハウツー本を買うよりは本家のチュートリアルやマニュアルと格闘した方がいい。こちらは比較的変化に対応できている。ググるときには英語も含めて1年以内など期間指定検索を駆使することが望ましい(Angularに関しては必ずメジャーバージョン番号も含める)。そうすればより正確な情報に辿り着ける。ES2015に関してはIE11以外の主要なブラウザは対応が完了している。React Fiberも発表されReact内部の全面的な書き換えが進んでいて、今のところフロントエンド開発者に大きな実装の変更を迫るものではないが、その動向をキャッチアップしていく必要があるだろう。これらの情報は書籍で追いかけていくのは難しい。

出版するのは自由だし本を買うのも自由だけど…

日本国憲法では出版の自由や個人の自由が明記されているので、本を出版するのも自由だし、購入するのも自由。古くなったとしても現時点での情報をお金を払ってでも知りたい人や、補助教材として書籍を活用したい人もいるだろう。でも人には書籍購入を勧められない。フロントエンド開発の場合、時代遅れとなってしまうリスクがかなり高いからだ。

著者・編集者・出版社・書店も書籍を出したことに良心的配慮をするならば、最新の動向を盛り込んで改丁版として出していった方が望ましい。そうでなければ『Microsoft Office 2000の使い方』のような実用書と同じ道を辿って最後はCCC図書館に置かれることになってしまうだろう。

おまけ

マストドンもやっています。

サイバーメガネ (@miraihack@mstdn.jp) - mstdn.jp