- 太陽フレアのデータを定点観測するには
- 米国立気象局・宇宙天気予報センター
- 過去の太陽フレア活動
- 探査機ステレオからの最新画像
- 太陽観測衛星ひのでからの最新画像
- 過去の太陽フレア観測画像
- 太陽フレアのイベントデータ
- 太陽フレアのテキストデータ
- 太陽風のデータ
- 地球軌道上の高エネルギー電子
- 科学の一次データを市民が触れること
- 追記:地磁気データ
太陽フレアのデータを定点観測するには
いま通信障害が起きる可能性があると話題になっている太陽フレアの活動。つい先ほども9月7日のようなXクラスのフレアが発生した模様です。
たった今、またまた、Xクラスフレア発生! pic.twitter.com/zeJ5EqJNlQ
— 柴田一成 (@cosmic_jet) 2017年9月7日
この太陽活動の情報を私達市民が定点観測するにはどのような方法があるのでしょうか。ネット上で太陽活動の最新データや過去のデータが得られるサイトを調査しました。地球の気象に天気予報があるように、宇宙についても宇宙天気予報のデータが公開されています。
米国立気象局・宇宙天気予報センター
太陽活動の最新データは米国立気象局・宇宙天気予報センターの公式サイトから閲覧することができます。
Homepage | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center
トップページにも太陽フレアに関するグラフが設置されていますが、専用ページで時系列で追っていくのが良いでしょう。
GOES X-ray Flux | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center
このグラフの説明も英文で書かれているのですが、Google翻訳に頼りました。GOESは静止軌道衛星の名称です。
ここに示されているGOESのX線プロットは、太陽活動と太陽フレアを追跡するために使用されます。大規模な太陽X線のフレアは、地球の太陽圏側の高周波(HF)無線伝送を遮断する地球の電離圏を変える可能性があります。太陽フレアは、最終的に地磁気嵐につながるコロナ質量放出(CME)にも関連しています。 SWPCは宇宙天気警報をM5(5x10-5ワット/ mW)レベルで送信します。大きなフレアの中には、他の無線周波数を妨害し、衛星通信や無線航行(GPS)に問題を引き起こす可能性のある強い電波バーストが伴うものもあります。
最新のイベントは、GOES 15またはGOES 14衛星によって自動的に検出された最新のX線フレアであり、以前のイベントに関係なく、検出アルゴリズムが失敗した場合に手動で入力されたものです。
言い換えると、「最大」は、問題の特定のフレアについての最大(ピーク)X線フラックスのみを指す。したがって、Mクラスのイベントが以前に発生した可能性があるにも関わらず、次のフレアがCクラスイベントのみである場合、検出された次のフレアによって置き換えられます。
X線イベントの開始時間、最大時間、および終了時間を定義するための詳細は次のとおりです。
X線事象の開始時間は、0.1〜0.8nmのフラックスにおける急峻な単調増加の最初の1分(4分のシーケンス)と定義される。 X線イベントの最大値は、ピークX線フラックスの分として取られる。 終了時間は、フラックスレベルが最大フラックスとプリフレアバックグラウンドレベルの中間点まで減衰する時間である。
過去の太陽フレア活動
過去の太陽フレアの活動については以下のサイトが期間指定で検索することができます。
探査機ステレオからの最新画像
NASAが打ち上げた探査機ステレオ(太陽の軌道上で太陽活動を観測している2機の探査機)からの最新画像は以下で閲覧できます。
STEREO - Science Center - Latest Images
太陽観測衛星ひのでからの最新画像
日本が打ち上げた太陽観測衛星ひのでが撮影した最新画像は以下で閲覧できます。
過去の太陽フレア観測画像
SolarMonitorのサイトでは、日時指定で太陽の観測画像を閲覧することができます。
太陽フレアのイベントデータ
SolarSoftのサイトでは、太陽フレアのイベントに関する詳細なデータを得ることができます。
太陽フレアのテキストデータ
開発や研究向けになると思いますが、宇宙天気予報センターがまとめた太陽フレアのテキストデータは以下から取得できます。
ftp://ftp.swpc.noaa.gov/pub/indices/events/events.txt
ftp://ftp.swpc.noaa.gov/pub/indices/events/yesterday.txt
太陽風のデータ
太陽風に関するデータは宇宙天気予報センターの以下のページから閲覧できます。
Real Time Solar Wind | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center
地球軌道上の高エネルギー電子
GOES衛星が観測した静止軌道上の高エネルギー電子は下記のサイトで閲覧できます。
http://seg-web.nict.go.jp/goes-electrons/
GOES Electron Flux | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center
科学の一次データを市民が触れること
ここで紹介したデータは、天気予報の気圧データのように私達が直に知っても直接は役立たないものもあります。しかし、一次データに市民が触れることは「余計なこと」でしょうか?
政治問題と同じく常に科学の問題に関心を持ち、専門家の説明に耳を傾けながら一次ソースも見て学び考えていく姿勢もまた市民には問われているのだと思います。大仏を建立する前に、市民が自ら考えていく下地になればと思い記事をまとめました。
追記:地磁気データ
茨城県石岡市村岡にある気象庁の地磁気観測所の昨日と今日の地磁気データを見ることが出来ます。既に大きく地磁気が乱れてきているようです。
地磁気観測所も9時の速報で磁気嵐が発生していると報じています。予想より速かったですね。
国土地理院の地磁気毎秒値 準リアルタイム提供は以下のリンクから見ることが出来ます。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/menu_03/qreal.html
「今日の午後から来るかも」と言われていた磁気嵐は、「既に」始まっています。「いま」緊急の対策が必要です。今朝までのニュースで流れていた予報は、日本のグループも、アメリカのグループも、ミスってしまっているので、ご注意ください。
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) 2017年9月8日
予想は大幅に外れて、もう第二波が届きました。早めに来たということは、昨日のツイートのとおり、規模が大きくなることが予想されます。現在30nTの南向き磁場、スピードは700km/sと高速になっており、やや危険な太陽風に地球は包まれています。非常に大きな磁気嵐に発達するでしょう。 pic.twitter.com/OdEWnVEceh
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) 2017年9月7日
磁気嵐の規模が一気にマイナス200 nTに達しようとしています…これは各方面で不具合が出るイベントになるかもしれません。磁気緯度が高めの地域での停電や宇宙機の故障、2003年11月20日の巨大磁気嵐のときにはアメリカで飛行機の離着陸でGPSが使えなくなったので、そういうことが。 pic.twitter.com/hNbvQxYIRt
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) 2017年9月8日

- 作者:柴田一成
- 発売日: 2013/06/13
- メディア: 新書