テキストベースMUDとは?
RPGというとドラクエやファイナル・ファンタジーなどグラフィックに凝ったRPGが想起されやすいですが、テキストベースのRPGもあります。
テキストベースRPGの歴史はグラフィックベースのRPGよりも古く、当初からネットワーク志向のゲームが多くて、1977年代には既にPLATOシステムでテキストベースのMUD(マルチユーザーダンジョン)ゲームが遊ばれていました。グラフィックでは実現が難しい複雑な世界観やゲームシステムを実現するものとして、欧米では現在も根強い人気があります。最近だと異世界転生モノのラノベとテキストベースMUDを融合できないかなと思っています。今日はそんなテキストベースMUDの可能性を書いていきます。
Achaea
テキストベースMUDで有名なものとしては、1997年から提供されているAchaeaというゲームがあります。私も2000年頃に友人からAchaeaとその魅力を教えてもらいました。
AchaeaでMUDをプレイする方法を解説していきます。
(Achaeaのプレイ画面)
Achaeaをプレイするためには、トップページからCreate Characterを選択します。
続いて種族を選びます。ここでは無難に人間にしました。
続いて属性の選択。ドルイドを選びました。
開始する都市を選択します。
最後にID・性別・パスワード・メールアドレスを入力してゲームスタートです。
Achaeaの初期画面です。説明文は全てテキストです。画面一番下のコマンド入力欄にコマンドを入れながらプレイしていくことになります。最初はチュートリアル。老人に従いLまたはLOCKコマンドを入力します。
移動も全てコマンドで行います。
敵と戦う時もコマンドです。KICKで敵を倒してレベルが上がりました。敵との戦闘で健康が少し低下しています。
右上にその都市にいるオンラインプレイヤーが表示されます。彼らとコンタクトを取って一緒にゲームを進めていくことも可能です。
グラフィックに依存しない分、テキストで想像を巡らせながらプレイしていくことになります。グラフィックベースのオリジナルなRPG作成ツールは多数ありますが、テキストベースならばCUIライクな自由度の高いゲームができるのではと思っています。小説やラノベとの連動も容易です。
テキストベースMUDのOSS
テキストベースMUDなゲームを自作したい時には、オープンソースのテキストベースMUDプロジェクトが幾つか存在します。
EvenniaはPythonでつくられたオープンソースのテキストベースMUDエンジンです。日本語の言語ファイルはありませんが、多言語化が可能な設計になっています。
ranvierはNode.jsベースのテキストベースMUDエンジンです。
今回はEvenniaをインストールしてテキストベースMUDを構築してみようと思います。
Evenniaのインストール
AWSのAmazonLinuxにEvenniaをインストールします。Evenniaをインストールしたいディレクトリに移動して、下記のコマンドを実行します。
$ virtualenv pyenv $ source pyenv/bin/activate $ git clone https://github.com/evennia/evennia.git $ pip install -e evennia $ evennia --init mygame $ cd mygame $ evennia migrate $ evennia start
これで完了です。8000番ポートにアクセスするとEvenniaのウェルカムページが表示されます。
上のメニューからPlay Onlineを選択するとゲーム画面に入れます。
まず最初に@batchcommand tutorial_world.buildとコマンドを入力してチュートリアルのゲームを構築します。
チュートリアルのゲームが始まりました。
テキストベースMUDの日本での発展
日本ではドラクエ・FFの普及もあって、なかなかテキストベースMUDゲームの文化は発展しませんでした。
しかし日本はテキスト文化大国でもあるので、今後は小説(アダルト含む)やラノベとの連携展開も考えられるかなと思います。独自の世界観を出していくにはテキストの方が適している場合もあるかと思います。
テキストベースMUDでオンラインコミュニティをつくるのも面白いかもと思っています。