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「信長の野望」を楽しむためにおすすめの書籍

   

「信長の野望」の最新作

信長の野望の新作「大志」が今秋に発売されます!パソコン、プレステ4,Nintendo Switchの3つのプラットフォームに対応するそうです。

歴代信長の野望をプレイしてきたので今作も待ち遠しいです。今作では「志」システムが導入されます。大名AIはそれぞれの「志」を持って行動し、志が内政や合戦・外交・ゲーム目標などで独自色を出すことになるそうです。どんな独自色が出てくるのか楽しみにしています!

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(「信長の野望 大志」開発中の画面)

はてブやTwitterでも最近信長の記事やツイートが話題になっているのを見掛けました。歴女ブームで歴史好きな女性も増えていると聞き、にわか歴史ファンの私も嬉しいです。

今日はそんな「信長の野望」を楽しむ上でお薦めの書籍をご紹介します。太田牛一『信長公記』が最もお薦めですが、現代語訳されたものも一般の人が読み解くにはやや難があるので、新書や文庫からチョイスしました。

www.asahi.com

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)

桶狭間の奇襲戦、秀吉による墨俣一夜城築城、長篠合戦の鉄砲三段撃ち、鉄甲船の活躍など後世に創作された話を否定し、太田牛一『信長公記』を元に信長の戦争が実際はどのようなものであったのかを検証しています。

桶狭間の合戦については、今川義元が上洛を企図して起きた戦いではなく境界の領地争いで起きたもので、信長軍も奇襲戦法ではなく正面突破で今川軍と戦ったことが史料から明らかにされています。乱世の風雲児とされた従来の信長像が覆されていく感覚を味わえると思います。

織田信長 <天下人>の実像 (講談社現代新書)

信長が必ずしも天下統一を目指してはいなかったことを史料を元に検証した本です。信長は決して革新的な指導者ではなく、中世からの価値観を重視する保守的な人物でした。

当時の天下布武とは、全国支配ではなく畿内周辺の天下静謐を指すものでした。正親町天皇との確執も本書で否定されています。東大寺正倉院の香木「蘭奢待」の切り取りが朝廷に対し信長の権勢を示すものであったという話も否定されています。晩年の信長は四国へ出兵するなど天下静謐に限らない行動も取っており、そのブレも緻密に検証されています。

織田信長 <天下人>の実像 (講談社現代新書)

織田信長 <天下人>の実像 (講談社現代新書)

  • 作者:金子 拓
  • 発売日: 2014/08/19
  • メディア: 新書

信長研究の最前線 (歴史新書y 49)

日本史史料研究会が編集した本です。複数の学者が信長研究の成果についてそれぞれのテーマで書いています。信長が将軍家や天皇家をどのように考えていたのか、これらの掌握を目指していたのか、武田家となぜ戦ったのかなどなど。

先ほどの『織田信長 <天下人>の実像』とも絡んでくる部分ですが、信長がなぜ四国政策を転換するに至ったのかも考察されています。また一般には楽市・楽座と呼ばれている信長の経済政策とは実際にはどのようなものであったのかも検証されています。それぞれの章を担当した学者によって考証の質がまちまちではありますが、信長に関する多面的な視点を持つために役立つ本です。

信長研究の最前線 (歴史新書y 49)

信長研究の最前線 (歴史新書y 49)

信長の野望を楽しもう!

これらの本を読むと、信長が実際にはどのような人物であったのか事前知識が豊富になるかと思います。そうすれば「信長の野望」の醍醐味も見えてくるはず。

史料を元に歴史シミュレーションゲームを楽しもう!