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「FF外から失礼します」は昔は「横レス」だったのでは?

   

「FF外から失礼します」というマナーの成立

シロクマ先生(id:p_shirokuma)が「「FF外から失礼します」に違和感を覚える人は、完全に遅れている」という記事を書かれています。記事の中でTwitterの「FF外から失礼します」という言い回しが使われるようになったのは2015年〜2017年であると指摘されています。

gendai.ismedia.jp

確かにGoogleトレンドで見てみると、2015年と2016年に短期的に流行った後、2017年になってから検索キーワードとしてよく使われるようになっているようです。

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しかし「FF外から失礼します」は最近になってできた言い回しで、その前までは別な言い回しが存在していました。ここではそれら過去の言い回しと「FF外から失礼します」を比較してみようと思います。

「フォロー外から失礼します」との比較

「FF外から失礼します」は過去には「フォロー外から失礼します」と言われていました。「FF外から失礼します」(青)と「フォロー外から失礼します」(赤)をGoogleトレンドで比較してみました。

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検索回数は「FF外から失礼します」より少ないですが、2014年頃からトレンド入りしているようです。

「フォロー外」との比較

「フォロー外」というウチとソトを意識する概念はいつ頃から使われ始めたのでしょうか。「フォロー外」というキーワードの結果(黄色)を加えて比較してみました。

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日本にTwitterが紹介された2007年以降からTwitterの拡大とともに増加していて、現在の「FF外から失礼します」よりも検索回数は大きくなっています。

「横レス」との比較

Twitterが登場する前には「FF外」「フォロー外」に相当する概念は「横レス」と呼ばれていたように思います。「横レス」(緑色)を加えて比較してみました。

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「横レス」はGoogleトレンドで調べられる最古の2004年に最も使われていて、現在の「FF外から失礼します」「フォロー外」と同じくらいの検索回数がありました。その後は時を経るにしたがって逓減していっています。2010年以降は「フォロー外」に抜かれています。

過去には「横レス」がよく使われていた + 谷間の時代

「FF外」のような「本来話すべき関係ではない人からの割り込み」は「フォロー外」「横レス」という呼称でかなり昔から存在したと言えそうです。

しかしグラフには出していませんが、「横レス失礼します」は検索回数は少なくてGoogleトレンドでは調査できませんでした。「失礼します」で最初に謝る表現が多用されるようになったのは、シロクマ先生の記事が記事で書かれているようにここ数年の間のトレンドと言えそうです。

1つ不明だったのは2010年頃に「FF外」のみならず「横レス」「フォロー外」なども使われていない時期があることです。この頃にはまた別な呼称が流行っていたと言えるのか、あるいはWebの使われ方として関係性を意識する呼称が少なかったのかが分かりませんでした。Web2.0ブームも一段落してソシャゲが隆盛となった時期とも重なります。

「本来話すべき関係ではない人からの割り込み」を意識する言い回しが少ない2010年頃の時代も、現在の視点でネットの関係性を分析してみると面白いのかもしれないなと思いました。ソシャゲの商業主義で「他者と繋がることが当たり前で礼節を意識することなく絡んでゲームをプレイしていく」ことも関係しているのかなと。