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『遥かなる星』ー「ひかりのくに」ー

   

相馬市役所の「放射能対策室」

昨日、庁舎が新しく建て替わったばかりの相馬市役所に行ってきました。

震災前は夕張のような財政再建団体に陥ることが懸念されていた相馬市ですが、いまは復興予算が余っているのか、老朽化した庁舎を使うのをやめて別な場所に倉をイメージした新庁舎が建てられました。

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(相馬市役所)

1階には市民課や健康福祉課など市民がよく使う窓口が並んでいたのですが、そこに一緒に「放射能対策室」の窓口もあって、「ああ、自分は被災地に住んでいるんだな…」と改めて実感しました。

海沿いの民宿街が瓦礫の山になっていたり、実家で線量を計ったら外の飼い犬と砂利から高い線量が検出されたので除染作業を行ってもらったり、震災で齊藤家の墓石も倒れたので墓参りに行った時にその崩れた跡を修繕したり、今までもそういう機会があったのですが、またフラッシュバックしてしまった…。

その後に相馬高校の新校舎を見たりして、高校時代に読んだ核戦争後の世界を描いた架空戦記『遥かなる星』を何となく思い出しました。

アポロ11号の月面着陸

1969年7月20日、アメリカの宇宙船アポロ11号は月面に着陸。

アームストロング船長らは月面に降り立ち、この様子はテレビ中継され、世界中の多くの人々が宇宙開発の新しい時代の到来を見つめていました。

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ほんとに素晴らしい。
信じられないこと、まったく不可能だったことが可能になったのです。
アメリカはやはり偉大な国、世界一の国です。

 ――アメリカ人主婦の感想
(NHKスペシャル 映像の世紀「第9集 ベトナムの衝撃」)

この頃のアメリカは、ベトナムで資本主義の南ベトナム政権を支援して、社会主義の北ベトナム政権や南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)との泥沼の戦いを繰り広げていました。

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(カンボジア国境付近のベトコンの拠点を攻撃するアメリカ軍)

アメリカはベトナムを空爆して第二次世界大戦の総火薬量を上回る爆弾を投下。ヘリを本格的に活用してジャングルに潜むベトコンの拠点を根こそぎ制圧する作戦を取りました。

しかし、このような作戦によってもベトコンを屈服させることは出来ませんでした。北ベトナムやベトコンにはソ連や中国などの東側諸国の工場で生産された最新鋭の武器が絶えず補給されていました。

その武器とジャングルの地の利を使ってアメリカ軍を消耗させる作戦が展開されました。ベトナム戦争の長期化や膨大な戦費はアメリカ経済を圧迫し、アメリカ国内では反戦運動が盛り上がりを見せます。

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ベトナム戦争の様子もテレビで中継されて、人々はその日のうちにお茶の間でベトナムの戦場の様子を見ることができました。

ベトコンが旧正月(テト)に南ベトナムで一斉に蜂起した「テト攻勢」で、南ベトナムの国家警察総監グエン・ゴク・ロアンがベトコンと見られる男性を路上で処刑する光景もテレビ中継され、ベトナム戦争を巡るアメリカの世論に決定的な印象を与えました。

(グエン・ゴク・ロアンは解放戦線によってサイゴンが陥落した後にアメリカに亡命。ピザレストランなどで働いた後、1998年に死去しています)

それは、ひどく不気味な光景だった。
アメリカという国は、ベトナムの泥沼を這いずり回って暮らす数十万の我々全員よりも、月面にいるたった二人の男のことのほうをずっと心配していたのだ。
得体の知れない感情がこみ上げてきた。

 ――ベトナム前線の米兵の手記
(NHKスペシャル 映像の世紀「第9集 ベトナムの衝撃」)

その後、アメリカ軍は東側諸国からの北ベトナムやベトコンへの武器や物資の補給路(ホーチミン・ルート)を遮断するためにカンボジアへ侵攻、ベトナム戦争はインドシナ戦争へと拡大していきます。

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私が高校の頃に読んだ『遥かなる星』(佐藤大輔)は、アメリカとソ連がキューバ危機を巡って全面核戦争を行い、半壊した世界で日本が核戦争による絶滅を防ぐためにアメリカに代わって宇宙開発を推進するという架空戦記小説です。私の最も好きな架空戦記小説でもあります。

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歴史上のキューバ危機の始まり

キューバ危機は世界が最も全面核戦争に突入する瀬戸際にあった事態でした。

1959年にキューバで革命が起き、新米政権が倒されて革命家カストロをリーダーとする新政権が誕生。カストロ政権はソ連との友好を深めて共産主義への道を歩むことになります。

アメリカ政府は自国に近い島国が共産主義陣営に入ったことに警戒を抱き、キューバへの偵察を行っていました。1962年に偵察機が撮影した航空写真がアメリカ政府に衝撃を与えることになります。それはソ連製の核ミサイルの発射設備の写真でした。

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(アメリカ軍の偵察機が撮影したキューバのミサイル施設)

当時のソ連の大陸間弾道ミサイルは開発段階で、アメリカ本土に到達できるほどの航続距離を持っていませんでした。しかし、キューバに核ミサイルを配備すればアメリカへの直接核攻撃が可能となります。

この時のアメリカの大統領はJ・F・ケネディ。アメリカ軍の統合参謀本部は核攻撃の危険性を除去するためにキューバへの空爆をケネディへ進言します。

しかし、全面核戦争に突入することを恐れたケネディはキューバへの海上封鎖を決定します。統合参謀本部は「海上封鎖だけでは現在のミサイル基地を除去できない」「キューバでのソ連の介入を許すのは弱腰外交であり、西ベルリンなども危険に晒すことになる」としてキューバへの空爆を強く主張しました。

ケネディはジャクリーン夫人に緊急時にはホワイトとハウスの地下の核シェルターに避難するように告げます(ジャクリーン夫人は「アメリカ軍兵士と最後まで運命を共にする」とこの申し出を拒否しています)。そしてテレビ演説を行い、ソ連のミサイルがキューバに持ち込まれていること、キューバへの海上封鎖を実行することを国民に伝えました。

ソ連のフルシチョフ書記長は、アメリカが海上封鎖を実行した場合でもキューバへのミサイル基地の建設を続行することを考えていました。ソ連は参謀本部情報総局長官が核ミサイルの配備状況をアメリカに密告していたスパイであることに気づき、モスクワ市内で逮捕。それ以降のソ連側の内部情報はアメリカ政府には伝わらなくなります。

アメリカは全面核戦争の警戒レベルをDEFCON3に上げて(平時はDEFCON5。DEFCON1は全面核戦争突入を意味する)、戦略爆撃機に空中待機を指令します。

全面核戦争というと大陸間弾道ミサイルを打ち合うイメージが強いですが、弾道ミサイルは一度発射してしまうと着地点の変更が難しいという問題があります。潜水艦による核攻撃は秘密裏に敵に近づいて核攻撃が可能ですが、潜水艦の速度やミサイルの航続距離の問題があります。戦略爆撃機を空中待機させておくと(第一波攻撃で多くの戦略爆撃機が蒸発したとしても)、第二派攻撃で敵国のまだ核攻撃から免れている地域へ素早く移動して効果的に核攻撃を行うことが可能となります。もうその時にはパイロットにとって守るべき祖国は存在していない可能性が高いですが…。

この時、キューバにはソ連の核戦力がどれくらい配備されていたのか。東西冷戦が終結してソ連が解体した後に公開された資料によると、ソ連はワシントンも射程距離に収めた42基の核弾頭を搭載可能なミサイル、150発の核弾頭、核弾頭を搭載可能な爆撃機、そして4万人のソ連軍兵士を既にキューバに配備してました。

アメリアの統合参謀本部はキューバのソ連軍兵力を数千人と見積もっていましたが、実際には遥かに多くのソ連軍兵力が存在し、核ミサイルも既にアメリカの複数の都市に狙いを定めて発射準備を行っていました。

瀬戸際外交

「大統領の表情はひきつり、目は苦悩のため、ほとんど灰色に見えた。
 彼は、戦争を引き起こす色々な誤算について語った。
 
 我々が戦いたくないのと同様、ソビエトも戦いたくないのだ。
 彼らは我々との戦争を望まないし、我々も彼らとの戦争を望まない。

 しかもなお、ここ数日来の出来事が今後も続けば、
 戦いは全人類を巻き込み、世界を破壊してしまうだろう。

 大統領を一番悩ませ、戦争の見通しを恐ろしい物にしたのは、
 アメリカと、全世界の子供たちが死んでいく幻影であった」

 ――ロバート・ケネディの回想
(NHKスペシャル 映像の世紀「第8集 恐怖の中の平和」)

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(キューバ危機の前のケネディとフルシチョフ)

アメリカはカストロのキューバが存在するという事態を
決して容認しないだろうと我々は確信していた。
しかし、もし、我々がキューバを失ったならば、
それが共産主義に対する手痛い打撃になり、我が国の威信は失墜する。
我々はカリブ海へのアメリカの介入を効果的に食い止める措置を
講じなければならなかった。
その答えがミサイルだった。

我々のミサイルは、西側が好んで口にする
力の均衡の釣り合いを取ってくれると思われた。
アメリカは我が国を軍事基地で包囲し、核兵器で脅かしているが、
敵のミサイルが自分に向けられていればどんな気がするか、
今や彼らが知るべき時だった。

――フルシチョフの回想より
(NHKスペシャル 映像の世紀「第8集 恐怖の中の平和」)

アメリカは国際連合の安全保障理事会を招集して、ソ連がキューバにミサイル基地を建設していたことを糾弾します。しかしソ連側の国連大使はキューバでのミサイル配備を認めず、アメリカが平和に対する脅威であると主張します。

フルシチョフもケネディに対して、アメリカによる海上封鎖はほとんど意味がないこと、キューバへの軍事侵攻を行わない約束をしなければミサイルの配備は予定通り進めることを告げます。そしてトルコにおけるアメリカのミサイル配備を撤去するように要求します。

アメリカは全面核戦争の警戒レベルをDEFCON2に上げて、全軍に核戦争突入が近いことを通達。DEFCON2が発令されたのは歴史上このキューバ危機のみです。DEFCON2の通達によってアメリカ市民はパニックに陥り、全米のスーパーマーケットなどで人々が核戦争に備えるために買い占めが発生しました。

この頃、キューバ上空を偵察飛行していたアメリカの偵察機がソ連の地対空ミサイルで撃墜されました。アラスカ上空で偵察活動を行っていたアメリカ軍の偵察機もソ連の領空へ侵入、ソ連軍の戦闘機から警告を受けることになります。

核魚雷を搭載したソ連の潜水艦が海上封鎖中のキューバ近海に近づき、アメリカ海軍が爆雷を投下しました。この時、ソ連の潜水艦には「アメリカ軍から攻撃を受けたら核魚雷で反撃するように」との命令が下っていたのですが、ソ連の潜水艦に乗っていた政治将校の判断で核魚雷による反撃は行われず、間一髪で核戦争へのエスカレーションを回避することとなりました。

アメリカの統合参謀本部は米軍機がキューバ上空で撃墜されたことに触れてキューバへの軍事侵攻をケネディに提案します。しかし、ケネディはこの提案を拒絶しました。ソ連側でもカストロがフルシチョフに対してアメリカへの核攻撃開始を提案しますが、フルシチョフも全面核戦争の勃発を恐れ、このカストロの提案を受け入れませんでした。

その後、ケネディとフルシチョフは急速に軟化して、キューバへの軍事侵攻を行わないことを条件に、キューバのミサイル設備を撤去することに合意しました。アメリカとソ連の間にホットラインが設置されたのもこの時からでした。

幾つかの不運と幾つかの幸運が重なって、からくも人類は全面核戦争によって滅亡する危機を瀬戸際で回避することに成功しました。

その後、ケネディ大統領は遊説中に暗殺され、フルシチョフも政敵との闘争に敗れて失脚します。フルシチョフは失脚後に「アメリカに対して弱腰であった」とソ連政府から批難されることになります。ベトナム戦争からの撤退を訴えていたロバート・ケネディも大統領選挙の予備選挙中に暗殺されます。

『遥かなる星』で世界が半壊した世界

『遥かなる星』は、このキューバ危機で歴史とは異なりアメリカ軍によるキューバ侵攻が行われ、東西両陣営が全面核戦争を行って半壊した世界が描かれた架空戦記小説です。

第1巻「パックス・アメリカーナ」ではアメリカ軍がキューバへの軍事侵攻へと突入していく過程と、東西両陣営による核攻撃の応酬、各戦争勃発後に自衛隊の潜水艦が日本へ向かうソ連軍の潜水艦の撃沈に成功して日本への直接核攻撃を防ぐことに成功したことが描かれています。そして第二次世界大戦の空襲よって戦火に包まれた東京で、北崎望が死にゆく妻と交わした約束により北島重工を設立したエピソードなども。

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第2巻「この悪しき世界」では、核戦争後の世界が描かれています。核戦争によってアメリカ合衆国とソ連は壊滅。半壊した世界で生きる人々がまず必要としたのは食糧などの民生品よりも武器でした。

奇跡的に核攻撃の直撃を免れた日本は、世界中に武器を輸出して売り捌くことで武器輸出大国として急激な経済成長を遂げます(第2巻の「ひかりのくに」より)。

核戦争後に航空機を輸出して巨大産業となった北島重工は、崩壊前のアメリカの技術者から入手した情報により宇宙開発技術を入手して、民生用の宇宙ロケットを開発。軌道上に宇宙ステーションを開設することに成功します。

宇宙開発事業団も防衛庁からの協力を得て巨大組織となり、70年代から有人宇宙船「ひかり3号」「あすか計画(ミニバス)」「おおとり計画(ヘヴィ・リフター)」「ハイバード計画(対軌道輸送機)」の打ち上げに成功します。

日本政府は極秘に「会合」(正式名称はなく関係者の間でこう呼ばれた)を招集。そこで討議されたのは核戦争が起きた場合の「核の冬」によって国家や社会システムの滅亡を防ぐために、有人の宇宙開発を推進して国家の生存をはかるとするものでした。

核戦争後の国際社会

国際連合はアメリカ・ソ連・フランスを平和の敵として常任理事国から除名、旧敵国条項を廃止、新たに日本とオーストラリアとインドを常任理事国として加え、核攻撃で壊滅したニューヨークの国連本部はメルボルンに移転されることになります。

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アメリカは核戦争によって1億人以上が死傷し、アメリカ政府やケネディ大統領なども核戦争の際に蒸発。産業や都市の多くを失っています。そして核攻撃による損害が比較的軽微であった地域を中心に資源を巡る紛争や人種差別が深刻化し、有色人種の虐殺が発生しました。保護を求める人々がアメリカに残された最大の組織であった軍に救援を求め、軍と州兵が戦う内戦が勃発。アメリカは東西に分裂することになり、どちらも正統な政府を主張しますが、西アメリカは日本の支援で持ちこたえたのに対して、東アメリカは封建社会のような状態へと突入します。国連が平和維持部隊を派遣して停戦が行われますが、人々が憎み合う内戦状態が続きます。東アメリカでは大学の図書館の破壊運動が起きます。

ソ連はアメリカに比べると損害は少ないですが、やはり核戦争により甚大な打撃を受けています。新たに手に入れた西ヨーロッパ諸国の共産化を進めると同時に(核戦争による気候変動や放射性降下物によって西ヨーロッパは深刻な放射能汚染と寒冷化に悩まされることになります)、(史実では航空機事故で死亡した)ガガーリンが中心となって日本との宇宙開発競争を展開。70年代にはガガーリンらは月面への到達に成功しますが、半壊した国土では経済力が限界に達し、急速に衰退していくことになります。

核戦争による寒冷化と異常な疾病の増加で、世界中で多くの死者が生まれて、国際紛争が多発。自衛隊も国連の平和維持部隊として世界に派遣されます。第3次アメリカ停戦維持平和協力隊(JUNPFORCE-3)に陸上自衛隊の二佐・児玉が志願して、ウィルミントン市の廃墟で現地武装勢力と交戦して負傷します。その後、児玉氏は防衛技術研究本部でARMS開発(宇宙服実験設備)を進めることになります。

田中角栄内閣がソ連が支援するアラブ諸国に対抗するためイスラエルへの武器輸出を決断したり、原哲夫がアメリカでの実体験を元にした漫画『北斗の拳』を執筆してベストセラーになったりなど、現実世界の歴史をもじった話も描かれています。緊急国際貢献業務実施計画では第4次アメリカ停戦平和維持協力隊(JUNPFORCE-4)の派遣とインドのカシミール問題への洋上監視として海上自衛隊第1機動護衛群(大型航空護衛艦「そうりゅう」含む)の派遣を閣議決定します。日本国内では西ヨーロッパ諸国の難民をメイドとして雇う家が増えて少女買春が社会問題化し、法律によって規制されることになります。

日本は第1次宇宙施設用超大型浮体構造物等建設計画(JSP-03計画)を推進します。JSP-03の計画建設方法について埋立派(建設省・建設族・建設企業連合)と浮体構造物派(宇宙開発事業団・科学技術庁・通産省・橋梁建設企業・北崎・石川島播磨・川崎等の企業連合)による政争が発生しますが、最終的に浮体構造物派が勝利します。

しかし、そんなJSP-03の実験場に悲劇が襲います。東アメリカの武装勢力「東軍」の部隊によってJSP-03の施設へのテロ攻撃を受けて…。

そんな宇宙好きや軍事好きにはたまらない架空戦記だった『遥かなる星』。続編が出ないかな。佐藤大輔氏の代表作は『皇国の守護者』だけではないです。『レッドサン・ブラッククロス』シリーズもそうですね。

『風が吹くとき』

核戦争後の世界を描いた作品では、子供の頃に読んだ絵本・アニメで『風が吹くとき』も印象に残っています。当時のイギリスでベストセラーになった絵本で、鉄の女サッチャー首相も絶賛していました。

簡易シェルターに避難して核戦争を生き延びたイギリスのジムとヒルダの老夫婦を描いた絵本。「いつか政府が救援に来てくれる」と待っていたけれど…。最後の2人で聖書を詠み上げるシーンが印象に残っています。

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この『風が吹くとき』という書名はイギリスのマザーグースの以下の部分が元ネタになっています。

風が吹いたらゆりかごゆれた
枝が折れたらゆりかごおちた
ぼうやとゆりかご いっしょにおちた

マザーグースの中でもけっこう残酷な部分ですが、風とは人間の傲慢な心の暗喩であるという説もあります。

「ひかりのくに」で風が吹いて以後

『遥かなる星』で描かれていた世界と違って「ひかりのくに」で風が吹いてしまったけど、しばらくここで頑張ろう。

相馬市役所に行った後は、父と車で買い物に出かけて、その車内で高速増殖炉もんじゅについて少し会話しました。

高速増殖炉もんじゅが事故で運転停止になった後、政府や東京電力は双葉町へのプルサーマル計画の誘致を進めることになります。地元からの強い反対にあって頓挫しますが、90年代から既に彼らは汚物を福島に送りつけようとしていた。

夢の核燃料サイクル計画の現在の姿。